ムラマツフルート個人レッスン9月第3回

 今日は、初めてピアノ伴奏付きで、冒頭から吹きました。勿論、伴奏してくれたのは、野原先生ご本人。高校の音楽の指導もされている方なので、もう何でも出来るという感じ。通常は、本番直前にピアノ伴奏合わせをするまで、ピアノとの合わせは出来ないこともあるくらいなので、これは本当に有難いことです。

 今日のテーマは、「ロマンス」の後半に頻繁に出てくるシンコペーションのフレーズ。音の並びが極めて簡単なだけに、どうしても、特徴である裏拍の音の出が早くなる傾向があるとのこと。早くなってしまうと、シンコペーションでなくなってしまうので、このあたりもきちんと拍を感じながら音出しする必要があるようです。

下は、51小節目、その下は最後の方の111小節目。3つの4分音符は裏拍で音が出ますが、これがまさにシンコペーション。

 そして、前回にも出てきた26小節から38小節までの部分。どうも今の時点では鬼門となっている所です。今日は、ブレスの位置の確認をしました。基本的には、全てアルペジオのフレーズが始まる前で吸うように指導されました。しかし、日頃の練習では、吹けるようになりつつあるのですが、先生の前だと吹けないこと、悔しいです。

 半音階の箇所も含めて、鍵はメトロノーム練習。それが、全てに共通する練習方法です。

 こうした地道な練習は、そう簡単には効果は出ないけれど、いつか必ずその成果が表れると、先生。そして、それが出来てきたら、実際の曲の流れの中にどう当てはめていくのかということ。そのあたりについては、演奏者のセンスによるところが大きいと言われました。

 まずは、洗い出されつつある問題点を地道にクリアしていくしかありません。

茜さんとの出会い(1)~あるプロモーション動画を観て

 もう4年近く前になる2015年の年末、フルートがやっと体に馴染み始めて、自分でも上達を実感出来るようになり、練習が楽しくなってきた頃のことです。

 その頃は、先行投資という形でいろいろな楽譜を買うものの、一向に吹ける曲は増えず、YouTubeなどでフルートの曲探しをしては、「これは無理!」とため息をつく毎日。そんな時に、ある動画を探し当てたのです。

 これが、当時見つけて何度も観た小田全宏氏が作曲した「Lullaby of Angel」という曲の動画です。勿論、今でも観ることが出来ますし、これ以外にも、「夢の光」「光の道」という2曲の姉妹曲の動画も併せて観ることが出来ます。

 全く知らない曲ではありましたが、伴奏音源付きのその曲はとても綺麗で、聴いた限りでは、自分でも吹けるかもしれないと思えるほどの難しさでした(実際には、結構難しかったのですが)。しかも、その曲が収録されている楽譜のプロモーション用の動画であることもわかり、その楽譜を手に入れるべく、思い切って出版元に連絡してみたのです。

 しかし、出版元の返答は厳しいものでした。すでに、その楽譜が絶版になっていたからです。事実、主だった楽譜を扱っているショップに問い合わせても、置いていないという回答ばかり。

 この動画で演奏されているフルーティストの方が大塚茜さんです。コンサート活動を積極的に行っている方で、日本を代表するフルーティストと言ってもいいと思います。

 勿論、当時の私は、何の面識もない雲の上みたいな方だと思っていましたし、楽譜を入手出来なければ、演奏のしようもありません。手がかりが尽きて、途方に暮れるというよりも、諦めの気持ちの方が強く、時間が経つにつれて、次第に忘れていきました。

 もし、その後のあるきっかけがなかったならば、茜さんとの出会いはなかったかもしれなかったのです。それから半年ほどの間は、何の進展もなく時間だけが過ぎました。(続)