昨年公開の映画ですが、今でも時々引っ張り出してきて観ます。東野圭吾の加賀恭一郎シリーズの最終作とされている映画です。今は違いますが、以前の職場が日本橋だったこともあり、ロケ地にも馴染みのある風景が多くて、より親近感を感じつつ観てきたシリーズです。公開前から楽しみにしていて、初日に観に行ったことをよく覚えています。
加賀が日本橋にこだわる理由、父親との確執など、シリーズを通しての謎とされていた部分が全て明らかにされます。この映画の最大のテーマは親と子の絆。それを軸に物語は進行しますが、加賀の推理や謎解きの妙、犯人が犯行に至った背景、そして事件と加賀との繋がりが次第に明らかになります。
主演加賀には阿部寛、犯人との接点を疑われる舞台演出家に松嶋菜々子が扮し、テーマは重いですが、見応えのある作品になっています。
この映画も、どこか似ていると感じさせる作品があると思いながら観ました。私は子供のころに観た「砂の器」です。テーマは全く同じですし、親子の逃避行と別れなどは、時代背景こそ違いますが、何となく比較しながら観ている自分がいました。
いつも一人で観に行くので、あまり周りのことは気にならないのですが、初日の時は、私の席の隣に女性の2人組が座っていたので、最後の15分を涙をこらえるのに必死になりながら観ました。でも、その女性たちもすすり泣く声が聞こえていたので、大丈夫でしたが。